ホノカアタウンでホノカアボーイロケ地めぐり ----2010年2月----
もしも、あの時ああじゃなかったら、こうはならなかっただろう、というお話。
2009年2月、アルゼンチンから帰国後、氷河の映像を保管するためにブルーレイを買いに行った。全くわからないので、機種決定はオットに任せ店内をうろついていると、どのテレビの画面も、どこまでも青い空の中、ひどくのんびりとした空気感が漂う映像が繰り返し流れていた。しばらく見ているとどうやらこれは「ホノカアボーイ」という映画の宣伝らしい。音は消されていたのでストーリーはよくわからないが、所謂いまはやりの脱力系ほのぼの映画なんだろうな、と思っただけだった。
それから1年、ハワイ島に行くと決まった時、ガイドブックを見ると「ホノカア」、という町がある。どうやら、あのときのあの映画が撮られたのはこの町らしい。あまり興味はなかったもののせっかくなので出発前にDVDを見た。どう考えても好きなタイプの映画ではないのに、ハワイに行く予定がなかったり、あとちょっとでも長かったり、ちょっとでも間延びしていたら途中で見るのを辞めていたと思うのに、自分にとってはどれも絶妙な具合で心に収まった。
あの時、あの映像を見ていなかったら、ハワイ島のナンバープレートが虹だという感慨も、なんにもないホノカアの町をあんなに温かくいとおしく感じることも、ドキドキしながらマラサダを食べることもなかった。(いや、多分、むしろ訪れることもなかったかと)
普段の生活にある些細なことが、旅によって彩られ、忘れられない一連の景色になったという小さい幸せのお話でした。